「トマト」栽培のポイント
トマトはナス科の一年生草本だが、生育環境が良ければ長期間にわたって生育を続けて次々と開花と結実を行なう。
普通の栽培では、播種後25日から30日で花芽が分化し、本葉8~9枚目に第一花房を着生させる。
以後、三葉ごとに第一花房と同じ方向に花房をつけながら生育を続ける。種子の発芽適温は25~30℃で、発芽後約一カ月間は高温を好む。
開花・結実期には昼温25~30℃、夜温10~20℃が適温となる。30℃を超えると生育が徒長ぎみになり、着果や果実の肥大が悪くなる。生育の最低気温は5~10℃で、それ以下では生育が悪くなる。
(1)雨よけハウスで病害虫の回避、果実品質の向上
この作型は、栽培期間中に梅雨・高温乾燥・秋雨・秋冷期などを経過するため、各種の生理障害(尻腐果、裂果、空洞果など)や病害(灰色かび病、葉かび病、疫病など)、さらに各種の害虫(アブラムシ類、スリップス類、コナジラミ類、夜蛾類など)が発生しやすいため、栽培管理に十分配慮する。そのため、この作型では雨よけハウスを用いることが基本になる。
この雨よけハウスを用いると、気象災害の回避と裂果防止などの果実品質の向上を図ることができる。また、前後期のハウス全面被覆により、生育の安定と収穫期間の延長を図ることともできる。
(2)施肥管理
基肥は、10a当たりで窒素10~13kg、リン酸11~14kg、カウム8~10kgが目安です。後は液肥で追肥を行ないます。施肥で注意が必要なのは、接ぎ木やマルチ栽培を行なう場合は吸肥力と肥効が高まるので、基肥窒素量を20~30%少なくする必要があること。
また、石灰やリン酸資材は土壌診断結果に基づいて施用する。堆肥やボカシ肥料など有機物を施用する場合は、含まれる肥料成分を考慮した施肥を行なう。
また、化学肥料の代わりに各種有機質肥料を用いる場合は、肥効が一カ月程度の比較的短いものが多いので注意する。